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Vol.368 なにゆえ韓国のカップラーメンなど…と思いつつ [韓国の食]

 ここ数年、韓国インスタントラーメン業界は一種の緩いイノベーションにあったような気がする。

 韓国では、今も昔も多種多様の商品が発売されているが、結局は「신라면」と「삼양라면」があくまでも基本であり、新製品が発売されても、その両者から大きくそれることはなかったと思う。
 だが、極めて保守的な韓国インスタントラーメン界にあって、ここ数年、微妙ながら、それまでの呪縛から離れて、大きく変わろうとしているようにも見える。

 日本のラーメン屋が本格的に外食産業として定着し、日本に来てラーメンを食べ歩くマニアが増加する一方という時勢の中で、韓国内ユーザーのラーメンその物に対するイメージは、良い意味で揺らぎつつあるのかな、とも感じるのだった。

 今回紹介する製品は、全部、カップ麺なので、袋物とはやや風味が異なるのだけど、韓国製カップ麺の世界もまた、多様性を増している。
 そして、袋物よりも日本製インスタント麺の影響が強く感じられたりする。
 某マートだけで売られている、有名調理人監修の製品などその最たるものだろう。

 まず食べてみたのは、一部日本人の間でも話題らしい「꼬꼬면」だ。

「꼬꼬면」
COCO.jpg

 日本語に訳すと「こっこ麺」、意訳するとまさに「チキンラーメン」なのだが、この製品の特徴は鶏をベースにしたことになっているスープよりも、麺にあった。
 食感がかなり日本の製品に近く、ツルツル、モチモチしているのだ。

 韓国製インスタントラーメンといえば、多孔質でガサガサしたものがあくまでも王道だったが、この「꼬꼬면」は、そこら辺が他の製品と一線を画しており、日本のラーメンを求める韓国人ユーザーの影響がちょっと感じられなくもない。

 でも、日本製に比べればまだまだのレベル、「サッポロ一番塩ラーメン」の麺を変えて、韓国風にアレンジした感じだ。


 次に食べたのは、派手な広告展開をしている「나가사끼짬뽐」である。

「나가사끼짬뽐」
nagasaki.jpg

 「짬뽐」自体は昔から韓国では定番の麺料理だが、日本のものと似ても似つかない。
 「나가사끼~」と付いているのも、すっかり韓国人にとって定番となった九州人気を反映したものだが、食べてみると「長崎ちゃんぽん」どころか、基本は保守的な韓国式インスタント・ラーメンにしか過ぎない。

 この製品の特徴も、「꼬꼬면」と同様、白湯ベースであることだが、日本人が食べると、麺が太めの、やっぱり「サッポロ一番塩ラーメン」モドキといった風情である。

 三番目に食べたのは「신라면」でお馴染みの농심から発売された「무파마」は、
商品名が商品名なので、てっきり大根のフリーズドライでも入っているかと思いきや、大根と菜物とにんにくを中心とした野菜スープが売りということらしい。

「무파마」
MUU.jpg

 この「신라면」、味は従来の韓国式インスタント・ラーメンそのもので、多くの日本人がこれを食べても「신라면」と区別できそうにない。
 ただし「신라면」自体が既に完成の域に至っているとも言えるので、製造販売元の농심がこれと大きく異なるレシピの製品を出すことは、ちょっと難しいことかもしれない。
 この「무파마」、スープについては、それなりにコクというか、複雑な旨みは感じた。
 でも、スープで商品の差別化を狙うのならば、唐辛子粉配合をやめる試みがあった方が面白いのではないかと思う。
 唐辛子で全てが引きずられてしまっているからだ。
 ちなみに製品名は『무・파・마늘』を単に並べて省略しただけらしいが、『무파워』にひっかけているんじゃないのかな?

 日本では韓国のインスタントラーメンといえば、【みんな「真っ赤」】というイメージがある。
 だがそれは、嘘ではないが、すべてでもない。
 最後に「신라면」と「삼양라면」へ帰結してしまうことも、日本のカップ麺に「カップヌード」を超えてはいけないという不文律があるように見えることと、似ていることかもしれない。

 だが、日本のカップヌードルは生まれついての「カップ麺」であり、その枠内で日々、進化を続けて来た製品でもあることに比べ、韓国のカップ麺はあくまでも、袋物の派生に過ぎず、独立した存在には成り得ていないと思うし、ユーザーもそこまで求めていないのだろう。

 だからというわけではないが、韓国カップ麺の世界で「カップヌードル」のような製品が登場し、国際的な定番になるのは、まだまだ難しいような気がするのだった(ちなみに「カップヌードル」は今でも韓国では一般的ではありません)。

Vol.367 韓国インディーズ映画の新たなる橋頭堡 [韓国映画]

 2011年秋。
 ソウル・新沙駅近くに、一軒の小さな映画館がオープンした。
 その名は「INDIE+」。
 かつて明洞近くに居を構えていた老舗の映画館「中央劇場」の一角で、「インディー館」として活動していた劇場の復活である。

 正直、ろくでもない作品ばかり掛かる劇場だったけど、重要と思える作品が掛かることも稀にあり、その存在は大変貴重だったのだが、「中央劇場」取り壊しと共に、しばらく姿を消していた。

 「どこへいっちゃうんだろうな~」と、毎年厳しさが増してゆく韓国映画界の中で、ちょっと残念に思っていただのだけど、新沙駅近くにある、これまた老舗(というかロートル)の映画館、ブロードウェイ劇場の一角を借りて復活を遂げたのだった。

 この新沙駅7番出口付近は、以前、幾つか映画館が立ち並ぶ「映画館通り」でもあった。
 ブロードウェイ劇場はその中でも一番大きな劇場であったわけなのだが、2000年を境にシネコンが盛んになり始めた辺りから急に寂れはじめ、今では残っているのがこのブロードウェイ劇場ひとつになってしまった。
 でも、そのブロードウェイ劇場も、今ではどう見ても活況を呈しているとは思えない状態。

 昔から狎鴎亭から新沙辺りは、とりあえずオシャレな街ではあったんだけど、劇場施設に関してはイマイチだった。
 最近、新沙駅周辺はエステや美容整形の街として変貌を遂げ、今では地図を持った日本人女性をよく見かけるようになった(それ故か、年齢層は明洞や東大門辺りより若いです)が、映画館については萎む一方だった。

 でも、新沙駅周辺は、江南でも一種の真空地帯と言うか、忘れられた場所みたいなところもあって、いささか物価も安く(それも最近は怪しいけど)、中小の映画や映像関係の会社が幾つもあったりする。

 そういう「独立系映画に対する需要」という点においては、ここで新しく専門館を設立することは、需要と共に、古い劇場のリサイクルも兼ねて、理に適っているのかもしれない。

 「INDIE+」はブロードウェイ劇場の中にあるといっても、全く独立した扱いになっている。
 チケット窓口は別だし、最低人数で回しているので、チケットを購入しようとしても誰もいないなんてことがよくあるから、韓国語が全くできないと、ちょっと困るかもしれない。

 劇場はかつての第三館を改装したものだが、設計が古いので観やすいとは言えず、お好みの座席を事前に把握しておいた方がよい。

 音響やプロジェクターはまあまあのレベルだが、「KUシネマ」や「サンサン・マダン」に比べるとかなり歩が悪く、同じプログラムが同じ時期に掛かっていたら、こっちは選ばないだろうな、といった感じだ。

 その代わり、ここでしか上映できないような作品が掛かるから、韓国映画の動向に関心がある人にとっては、メジャー大名のCGVやMEGA-BOX、ロッテシネマなんかより、重要かもしれない。

 また、ここら辺は再開発が中途半端な地域なので、すぐ近くの狎鴎亭方面までブラブラすると、明洞辺りでは見ることのできない、ソウル・オリンピック以降の残滓みたいな空気も漂っている。

 映画人が多い街でもあるから、週末に新沙駅からシティ劇場方面までぶらつくと、意外な出会いに恵まれるかも…

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Vol.366 謹賀新年… [韓国映画]

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2012年を迎えた弘益大前。
新年をここにあるクラブで迎える、というのはだいぶ前からのパターンかも。

 
謹賀新年。
2012年、皆様に大きな、大きな【福】が訪れますように。

今年の年越しは弘益大前にある、懇意の飲み屋で過ごしました。
日本嫌いの某氏と竹島・独島の問題や、米軍撤退後の国防問題、統一後の領土問題などで盛り上がり、楽しいひと時でした(ただし、この手の話は要注意!なので相手と場所を見極めましょう)。
よく思うのですが、お互いが感情論&建前論を抜きにして、こういう話題をカジュアルに交わせない限り、巷の「韓流」というものは、いつまで経っても企業その他、誰かさんが作り上げた商売の為のキャッチコピーでしかないと思うのです。
個人的にいえば、「韓流」という単語自体、いい加減、とっとと、消えて欲しいんですけどね。

韓国映画の話題でいえば、2011年は韓国のアニメーションが大きく飛躍した年でした。
でも、それをこれから生かせるか、仇花にしてしまうかは、あくまでも韓国側の問題です。

カン・ジェギュの話題作『マイウェイ』の予想を超えた低迷ぶりにもア然。
ある程度、危惧していたことではありましたが、これもまた、韓国内マーケットの移り変わりを象徴するような出来事だったのではないでしょうか。

一種のバブルで始まった韓国映画の隆盛も、はや10年以上前の昔話。
2012年はどうなるのやら、今まで以上に全く分かりません。

一つ言える事は、「イム・グォンテク」「キム・ギドク」「ポン・ジュノ」「パク・チャヌク」で韓国映画の話題が片付くような時代は、かなり前に終焉を迎えている、ということでしょう。

そして最後に、韓国映画に夢を求めて渡った日本の若者たちが活躍する場が増えることを願います。

Vol.365 冷麺の味 Part2/咸興式冷麺編 [韓国の食]

 2011年の初冬は、日本も韓国もなにやら歯切れの悪い寒さだったが、クリスマス辺りからやっと冬らしくなってきた。

 冷麺の季節である。
 韓国がいくら寒い、寒いといっても、山間部では無い限り、せいぜい下がって-10度前後。
 ソウルでも時には-18度くらいになる年もあるが、日本の北海道の方がはるかに厳しいくらい、実際は大したことはない。
 おかしな流言には惑わされないで欲しいと思う。

 韓国で冷麺といえば、どうしてもコンニャク系の咸興式冷麺が主流。
 そしてソウル市内で冷麺といえば、やはり、どうしても乙支路の五壮洞が有名だ。

 地下鉄『乙支路4街』駅から結構離れていて、夜行くと不気味に静まり返った街をしばらく歩くことになる。
 女性独りだと、ちょっと危ない印象を受けるかもしれないが、冷麺街は賑わっている。

 そこの通りだけは冷麺屋がいくつも立ち並び、相当儲けているのか、「冷麺ビル」らしき建物もちらほら。
 休日は家族連れで一杯だったりする。

 競争が熾烈なだけあって、基本的に外れはないし、どの店も趣向を凝らして差別化を図っているから、連日食べ歩く、というもの楽しいかもしれない。

 でも、今回紹介するお店は、ここではなく、地下鉄三号線『東国大前』駅にある咸興式冷麺の話である。
 ここら辺で冷麺といえば、東大門方向にある平壌式冷麺のお店が有名だが、そこではない。

 そこは地下鉄駅を出てすぐのところにあった。
 『東国大前』はこじんまりとして嫌いじゃない街だが、キャンパスを脇に控えている割には、商業街としてはイマイチだったりする。
 あまり食指が動く店もなく、急いで夕飯を摂ろうと仕方なく入ったのが、たまたま、その冷麺屋だった。

 駅前一等地にあり、目立つのだけど、評判を聞いたことがなかったので、全く期待していなかったが、お店は広く綺麗で、家族連れも多く、【韓国で美味しい食堂】の条件をちゃんと満たしている。

 咸興式冷麺だったのはわかっていたけど、ワタクシ的ディフォルトで水冷麺と水餃子を注文する。
 
 巷では【咸興式冷麺=ビビン冷麺】という公式が押し付けられているようだが、これは迷惑な偏見、好きなものを注文すればいいわけで、私の場合、店の味を知るために、必ず水冷麺を食べるようにしている。

 水餃子も北式料理屋では食べるべきメニューのひとつで、韓国には昔から水餃子が美味しい店がたくさんある(でも、大きなマンジュウは大味なのでNG)。
 話は外れるけど、大林亭辺りの中国人街も、この水餃子が、かなり美味しかったりする。

 この『東国大前』にある冷麺屋の魅力は、【ごく普通に美味しい】ということだろう。
 つまり、ここに代わる味のお店は他にいくらでもあり、個性的な味を知りたければ、五壮洞に行くのがテッパンなんだろうけど、最近の韓国は、この【ごく普通に美味しい】というお店が激減してしまっている点において、価値を感じるお店なのだ。

 かつて、隠れた食の都(というか日本じゃ知られていないだけだが)、光州の食事で感動したのは、この【ごく普通に美味しい】という事に他ならない。

 その感覚こそ、韓国で食べ継がれてきた味そのものであり、伝統の味を感じさせるからである。
 例の平壌式冷麺有名店も、かつてはそういうお店だったのではないだろうか?

 というわけで、今でも『東国大前』で食事を摂るなら、このお店、という定番になっているんだけど、こういった【ごく普通に美味しい】という味を、他のお店もまた、変な国際化なんかしないで、引き継いで欲しいと願うのだった。
(通り向かいにある、チョッパルを独りで食べるわけにもゆかないし…)

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ホントにフツーの冷麺です。




Vol.364 冷麺の味 Part2/平壌式冷麺編 [韓国の食]

 「韓国、冬の食事は何がお勧めですか?」と聞かれたら、迷うことなく冷麺と答える。

 -10度を下回る外気から家屋の中に入り、オンドルの上でキンキンに冷えた冷麺を食べる、という行為は昔から「オツなもの」とされてきたが、全くの同感だ。

 「寒い時に寒いものを」「暑い時に暑いものを」という逆説的な飲食方法は、日本でもよく語られることだが、医学的な効能とは別に、「美味しいものはいつ食べても美味しい」ということである。

 だからといって、どこの冷麺でもいいのか?という訳ではなくて、限られた美味しいお店でのお話だ。
 冷麺は元来、北側の食べ物らしく、ソウルというか、昔から韓国で美味しいお店は非常に限られているが、それは今も変わらない。

 ラーメンと同じで、安く上げようとすればいくらでも安く上がるが、美味しいものを提供しようとすると、どんどん高級化してしまうという食べ物であり、巷に転がっている冷麺は前者、私が食べるのは、当然後者であるのだが、どうも年々、冷麺というものは一般の食事から遊離し始めているようで、あまり食べなくなって来ているような気がする。

 一昔前はW4500-から、せいぜいW6000-だったのが、最近はW9000-超えだ。

 これじゃ日本のラーメンと同じような価格だが、高いお店にとって今の韓国では伝統の味を死守することが難しくなってきているということなのかもしれない。

 冷麺は韓国でもひとりでふらりと入って食べることができる数少ない選択肢だし、量も丁度良くと、ワタクシ的にはラーメンや蕎麦みたいなものだが、良いお店は高級化が進んでいて、気軽さが半減しているのは残念である。

 そのお店は清渓川を渡った、乙支路工具街の真ん中にある。
 冷麺好きの間では非常に有名な店で、日本のグルメ本なんかでもお馴染みだが、冷麺屋が比較的集まっているここら辺界隈で異彩を放っている理由は、純然たる「平壌式冷麺」の専門店であるということだろう。

 乙支路界隈は冷麺の名店が集中する場所だが、ほとんどが咸興式だ。
 咸興式が芋中心のコンニャク的食感の麺を使うことに対して、平壌式は蕎麦や小麦粉の比率が高く、九州の棒ラーメンに似た食感であり、水冷麺の場合、とんこつラーメンの「ハリガネ」や「粉落とし」に近い味わいを楽しめる。

 このパリパリして香ばしい味わいこそ、平壌式最大の魅力なのだけど、ソウルではあまり見かけない(もちろん平壌式といっても、冷やし中華みたいな麺を使う店その他、色々ある)。

 お店の雰囲気も非常にいい。
 商店街路地奥に位置し、内装は高度成長期の日本の風景を連想させ、まるでタイムスリップしたようなデジャブに陥るが、あくまでも、質素でシンプルだ。

 定番の有名店であるにも関わらず、全く外国語のメニューがないのも素晴らしい。
 あくまでも、ここの味が好きな人達が集うためのお店なのである。

 場所も地下鉄の出入り口のすぐ前、大きな看板が出ているのでハングルがある程度読める人ならすぐわかるが、あまりに近いので見過ごしてしまうかもしれない。

 メニュー数は少なく、プルコギもあるが、やっぱり定番は水冷麺と豚肉のスユクだろう。
 クッパブと温麺も置いているが、季節によってはなかったりする。
 でも、それらもメニューにあったら、食すことをお勧めしたい。
 特に温麺は日本のラーメンを連想させ、ありそうでない独特の味なので、一回はお勧めしたい。

 残念なことに、この乙支路界隈も再開発の魔の手が伸びつつある。
 国家邁進を標榜すれば、庶民のことなどお構いなし、何事も突然急変する韓国社会のことだから、このお店も、今後大丈夫かどうか分からない。

 移転することで建物が変わり、唯一無二ともいえるステキな雰囲気の店で食べられなくなってしまうとすれば、ソウルはまた一つ、「自慢の食文化」の象徴を失うようなものだ(北の食いもんですが…)。

 韓国式に考えれば、立派で巨大な建物に、ピカピカの豪華な内装、外国人対応の英・日・中語サービスこそ、「一流の証」なのかもしれないが、冷麺のようなシンプルかつ味そのもので勝負する料理こそ、古びてはいても「場」が醸しだす雰囲気が大切であり、良い意味で外国に媚びない民族主義ゴリ押しがあってもいいと思う。
 別に無理して外国語対応なんかにする必要はないのである。

 海外に向けて、日本料理と対比させ、自分たちの優位性を強調しつつ、あまり一般的ではない豪華な高級メニューや、とても普遍性があるとは思えないキムチ類を積極的にアピールするのも韓国らしくて結構なのだが、古い店舗自体を一種の文化財として残す方法も、これからはアリなのではないだろうか?

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プラスチックの注文カードがミソです。

Vol.363 はたまた、大学の中に映画館があった [韓国映画]

 ちょっと前のことではあるけれど、俗に言う「인디」映画専門らしき新しい劇場が、ソウルでまた開館した。

 韓国の独立系作品はここ数年、バブルともいうべき活況を呈していたが(といっても儲かっちゃいなんだろうけど)、圧倒的にショボイ作品が多いので、有志たちがいくら頑張っても、上映環境が、なかなか根付かないのが実態だった。

 もっとも、韓国映画自体、いくらメジャーに見えても、独立系が基本だと思うので、「인디」とわざわざ称するのは妙な気もするのだが、韓国で「인디」といえば、日本における個人の自主制作みたいなもんであるから、一般興行に難があるのは当然の理だろう。

 大手チェーンでの上映枠は段々と肩身が狭くなって行き、妙な物件で専門館を無理やり開設、一定時期が来ると、また別の不便な場所に移転するくり返しだったりする。

 だけど、障害あればこその「인디」、運を自ら掴める逞しい人材も培われるのだろう。

 その劇場「KU씨네마테크」もまた、大学構内にあった。
 ラインナップが多彩で、けっこうツボを押さえていたりする。
 どこにあるかと更に調べてみると、なんと建国大学だった。

 そこでいきなり好奇心が減退。
 「KU=Konkuk University=건국대학교=建国大学校」ってワケ?

 建国大学といえば、ソウルでは、歴史の古い私立大のひとつなんだけど、なんだかパッとしない。
 最寄りの「建大入口駅」も、これまたドえらくパッとしない。
 江北から行くにしても、江南から行くにしてもやっぱりハンパ、買い物その他でもこれまたハンパと、この街ならではの付加価値がサッパリ浮かばない(でかい模型店でもあればいいのだが)。

 街の物価は安そうだが、個人的に場所を聞いただけで、行く気がなくなる街角の一つなのであった。

 同じく大学に付帯した劇場としては、梨花女子大学校内の「아트하우스 모모」がある。
 「梨大駅」もまた、半端でツマらない街にあるのだけど、劇場の入った建物が面白い構造体であり、江北に宿を取っていれば、そこそこ融通が利く場所なので「まあ、OK」。

 だけど「建大入口駅」だと、スケジュールを効率的に組みにくいことこの上ないのである。
 近所にロッテシネマがあるけれど、ありきたり過ぎて、あんまり価値を感じない。

 というわけで、「KU씨네마테크」はプログラムの良さを超えて、行く前から躊躇してしまう劇場だったのである。

 しかしその日、某作品が「KU씨네마테크」で一回だけ上映されるという情報を得て、仕方なく出向くことになった。
 タルい気持ちを抑えつつ、なんとか連結したスケジュールを作って、「建大入口駅」に向かう。

 建国大学自体は決して地下鉄駅の傍にあるわけではなく、結構歩かないといけないが、街をウロウロしてみると、駅周辺とは違う雰囲気に包まれていることに気がついた。
 ちょっと日本の大学街に近い感じがする。

 大学構内に入ってみると、中にはかなり広い公園があったりして、なんだかよく分からない作りだが、「KU씨네마테크」はすぐ分かる場所にあった。

 そこはどうやら、同大学内にある「예술문화대학=芸術文化学部」の付帯施設らしい。
 この「예술문화대학」は、まるで1970年代における日本のサイケなアートシーンを連想させる、古臭いタイプのキッチュな外観の建物だ。

 ああ、子供時代のデジャブがまた、クラクラと…
 1970年代渋谷系のノリだ。

 劇場入り口やロビーはショボイ。
 もっとも、そのショボさはソウルにおける「인디」専門館に共通する伝統的なショボさなので、考えようによっては正統派なのかもしれない。

 ここもスタンプカードサービスをやっていて、初めて来たので作ってもらう。
 場所が場所、上映される映画も映画、日時も日時という訳で、誰もいない。
 「一体、いつまで存続できるのかなぁ~」という感じ。

 上映時間が来ても何の案内もなく、前のプログラムは時間を超えて、上映中だ。

 気を揉み始めた頃、劇場のドアが開き、案内が始まったが、客は私と、もう一人だけ。
 でも、中に入ると意外に良い劇場空間が広がっていた。

 半地下構造なんだけど、ちゃんと観る側の都合を考慮した設計になっていて、「아트하우스 모모」よりも、遥かに観やすい劇場なのだ。
 CGV系列の半端なアート系劇場なんかよりも、全然立派である。

 そして特筆すべきはその座席だ。
 いやー、これはいいね。
 全然疲れない。

 その日観た映画は、ショボくてどうしようもない作品だったけど、「立地条件さえよければなあ」と、この「KU씨네마테크」がもったいなく思うのだった…(その後、地下駐車場工事の影響で落石があるため、一時休館という、トホホな告知がありました)

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昔の円谷作品に出てきそうなデジャブ感いっぱいの建物です。

Vol.362 アブサントの味/La FEE - XS Absinthe Francaisee [韓国と関係ない話]

 今回紹介する「La FEE - XS Absinthe Francaise」は、その名の通り、フランスの東側、スイス国境に近い街Pontarlierで作られている地酒的なアブサントらしい。

 だが意外と素朴で、奇をてらった感じは薄い。
 個人的にフランスのアブサントは変に凝りすぎていて、歪な印象があるのだけど、これは逆におとなしすぎるかもしれない。

 見た目はほのかに枯れ草色をしているが、ほとんど無色だ。
 香りには穏やかで、アルコール臭はあまり感じられず、二段階くらいの変化がある。

 原酒を口に含むと、ピリピリ感あるが、これはアルコール度数(68%)によるものだろう。
 それを考えると、ソフトで大人しい。
 だが腰は強い。

 その代わり、風味は弱く、刺激は少なく、やや物足りなくもある。
 熟成させたお酒に共通するまろやかさがある反面、個性は弱めで、あくまでもお上品であり、フィニッシュも物足りない気がする。
 そして、スイスのキューブラと共通する独特の風味がある。

 アニスが入っていないためか、水で割っても白濁しない。
 それよりも、薄めると、ベースになっているスピリッツの辛さだけが一層、表に出てくる感じだ。
 そしてフィニッシュに妙な苦味が感じられるようになるが、アブサントの苦味と言うより、ミント系の苦味に似ている。

 玄人好みの微妙なアブサントといった趣である。
‐さるすべり流飲み方‐
原酒7に対して軟水3程度。
でもストレートの方が、ぴりぴり感が低いような気がする。
砂糖(三温糖など)を一かけら加えるといいかもしれないが、間違ってもスプーンの上で火を付けてかき混ぜないように。
あれは邪道な飲み方だと思う。

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Vol.361 韓国演劇界のエースたち『늘근도둑이야기-老いた泥棒の話』 [韓国カルチャー]

 韓国はソウル、恵化にある複合演劇施設『아트원씨어터』へ、2011年2月から暮れまで長期公演が行われている舞台劇『늘근도둑이야기』を観に行く。

 登場人物が三人きりの小さなお話だが、出演者はなかなか豪華で、最近は映画でもお馴染みの김뢰하や、박원상もキャスティングされている。
 残念なことにランダムの日替わり配役なので、行ってみないと誰が出ているのか全くわからない福袋状態。
 だが、韓国を代表する劇団「차이무」のメンバー中心の配役なので、逆に新たなる発見への、よい機会かもしれない。

 劇団「차이무」は著名なスターを何人も輩出している名門だ。
 日本でも有名な송강호は、かつてここ所属で、いまでも繫がりは深いようだし、名優문성근や강신일は今も所属している(2011年末現在)。

 そして、この劇団の顔でもある演出家の이상우は映画『작은 연못』の監督を手掛けている。

 マロニエ公園の裏の裏にある『아트원씨어터』自体も、本来はこの劇団の所有施設らしく、有名OBたちもかなり出資しているという。
 ここの特徴は、有名スターがキャスティングされた演目をコンスタントに上演していることだが、演目も基本的にひどい外れはないので、「韓国で芝居でもみようかなー」と思う人にはお薦めの劇場だ。
 入場料もそんなに高くない。

 私が観に行った時のキャスティングは、まさに日本では「無名」以外の何者でもなかったけど、逆に彼らの演技は韓国における俳優たちの層の厚さや可能性を十分魅せつけてくれるものであった。
 映画の話でいえば、まだまだ、キャスティングの幅があり、未知のスターが発掘される可能性があるということである。

 お話は特赦放免された老境の泥棒二人組が、忍び込んだ美術館で、とある事実を発見したことから起る騒動を描いており、日常生活と政治意識が密接している韓国らしい内容だが、日本でいえば30年前か40年前のコントをだらだらやられているような感じで、非常に疲れる二時間だった。
 言葉の問題も大きいのだけど、他の韓国人観客も一時間を過ぎるとみんなぐったりし始めていたので、やっぱり長くてくどい戯曲だったのだろう。

 ただ、三人の配役自体は素晴らしい。
 私が観たときは、泥棒ふたりに김학선と송재룡、その他すべてを서동갑が演じていたのだけど、大変表現力のある人たちだった。
 皆すでに、TVや映画の仕事をこなしているが、準主演クラスをすぐ張れそうな実力の持ち主ばかりである(主演はまあ、実力以外の色々な思惑が絡むので…)。

 日頃の鍛錬の成果か、筋肉の動きが衣装の下に見えるくらい、演技に脈動感と瞬発力を感じさせる。
 舞台が狭いこともあってか、汗や唾が客席に飛び込みそうになる様は、迫力満点だった(でも、その分、また疲れたけど)。

 上演が始まる前、私の隣に座っていたカップルが席を入れ替えて、劇場担当者に注意されるという出来事があった。

 その時は「ずいぶん規則が厳しい劇場だな」程度にしか思わなかったのだが、演劇が始まると、それが実は演出の一環であることが分かる。
 この舞台は観客参加型の演劇であり、観客席が展示されている美術品に見立てられて、戯曲が進むようになっていたのだ。

 つまり、席を代わろうとした女性は、小道具として、いじられる役割を密かに振られていて、席を変わってしまうと甚だ演出的に都合が悪いわけだ。

 でも、私はいじられたくないので、内心ガタガタ、ブルブル状態。
 韓国ではこういった観客参加型の舞台を割りと見かけるけど、いじった鉾先が日本人じゃ、内容によっては、お互いバツが悪いことになりかねない気もするのだった。

 今回の舞台で目を引いたのは、まず김학선。
 いかにも韓国のインテリ趣味人といった感じのキャラクターで、日本の作品に出ても全く遜色ない安定感がある。

 相棒役の송재룡も非常に上手い人なのだが、ちょっと個性が強すぎて、演出的には置きどころが難しいタイプの俳優だ。
 でも、このくらい強烈な方が、外国の作品では丁度いいかもしれない。

 残る서동갑はその他すべてを引き受ける雑多な役柄だったが、演じる役を変えるたびに周囲にまとう空気感まで変えてしまう巧妙さは驚いた。
 下品なお笑い役から、シビアな二枚目まで演じるのだけど、どれもまったく演技に隙がない上、なかなか、カッコイイ人なのである。
 日本で言えば、稲垣吾郎と田辺誠一を合体させたようなルックスだ。

 韓国の演劇は正直、外国人にはシンドイことが多いし、大学路で上演される作品も、当たり外れがひどかったりする。

 その代わり、日本では無名、韓国でもマイナーな俳優たちの中に、結構すごい人や実力者がまだまだいることを、思い知らされることも多く、今回はそんな舞台であった。
 これからも、第二、第三の송강호や김윤석に続く人たちが、どんどん登場しそうである。
 
 日本のドラマや映画も、こういう人たちを起用して欲しいよな~、知日家も多いし…もったいないです。

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아트원씨어터では2011年12月31日まで。
千秋楽はサプライズがあったりして…


Vol.360 最初で最後の公開?でもホント?『아멘』 [韓国映画]

『아멘』
2011年12月8日~12月21日
씨네큐브 광화문にて限定公開
※『아리랑』も上映します
 
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 巷の噂では、今回の『아멘』上映は最初で最後の公開というお話ですが、もしかして原版やプリント(上映データ)は全部破棄するのでしょうか?

 そこまでやるなら、この映画は伝説になるだろうし、監督の覚悟も本気だと思うんですけど、マーケティング狙いの二枚舌だと、逆に海賊版で儲ける奴が出そうな気もして心配です。

 「欧米その他は別です」なんてやらないでね!
 観ることが出来なくなるとすれば、かなり残念ですが、信念は貫き通して欲しいもんです。

 今回、私は行きません(行かない予定)が、端境期なので航空券は取りやすいとかと。

 これから韓国は食べ物が美味しい季節でっせ!

 上映劇場はソウル歴史博物館の通り向かいにあります。

Vol.359 表現の自由とは??『위험한 상견례/危険な会見礼/ヤバイご挨拶』 [韓国映画]

(あらすじ)
 主人公の青年현준は、光州にある旧家で暮らす若い少女漫画家。
 だが、その仕事ゆえ、保守的で慶尚南道の人間を激しく嫌う父親は、息子をまともな男として認めていなかった。
 현준には隠れて文通しているガールフレンドの다홍がいる。
 初めてのデートで運命を感じた二人だったが、彼女は地元青年実業家との結婚を父親から迫られていた。
 彼女の危機を救い、自分を結婚相手と認めさせるべく、현준はソウルから来たエリートという肩書きの青年に化け、釜山にある다홍の実家へ会見礼に向かう。
 だが、다홍の家族もまた、韓国の保守的な規範からはみ出た者の集まりだった…
 2011年3月31日、韓国で全国公開された『위험한 상견례』は、まさに春の嵐とでもいうべきスマッシュヒットを記録した大爆笑コメディだ。

 1980年代の地方を舞台にした物語に、やたらと地味なキャスティングと、冴えない体裁だが、配給側としては動員数が250万人を超えるとは想定していなかったのではないだろうか。

 今の韓国における映画の観客層が、どうやら1980年代後半の風俗について関心を抱いている、もしくは憧れに近い郷愁を持っている時期かもしれないことは、その後に公開された大ヒット作『써니』と関連付けて考察することも可能だが、それは後付けの理論に過ぎない。

 この作品がなぜヒットしたかについては、やっぱり純粋に「面白い」からだろう。
 そしてその「純粋な面白さ」とは、ある意味、韓国では封じられていたネタを「ドドーン」と開けて見せたことにあったのではないだろうか?

 個人的にはそのパンドラの箱ぶりは、日本でもちょっと話題になった『도가니』以上だったのである。

 この『위험한 상견례』には、1980年代における韓国版『ロミオとジュリエット』の趣も感じられるが、二人の愛を禁断の恋にしてしまう事情とは、モンタギュー家とキャピュレット家の諍いならぬ、全羅南道と慶尚南道の露骨な対立なのだから、それを笑い飛ばしている様は、一昔前の韓国的事情を知っている人にとって、びっくりだろう。

 そして、それは単なる地域対立ネタに留まらず、職業や経歴、性別といった、社会に根深く巣食っている差別を真正面からも笑い飛ばしていて、20年前、いや10年前の韓国だったらヒットどころか、製作することすらあり得なかったんじゃないの?と思えるくらいの際どいネタを、爆笑コメディとして上手に料理している。

 まず、主人公二人の父親たち(=백윤식&김응수 )が、互いの出身地へ向ける憎しみが物凄い。
 とにかく二人とも年中、事あるごとに一方は全羅南道、もう一方は慶尚南道に向けて、陰惨な殺意を燃え上がらせている。
 それは韓国で浮かれている日本人観光客に絡んで、幼稚な説教や恫喝をして喜ぶタチの悪い反日連中以上に、根深く深刻だ。

 二人の憎しみを更に深いトラウマにしてしまったのが、兵役時代の暗い思い出だったりするところも、あまりに韓国らしくて、全く救われない。
 だけど、それを悲惨な復讐劇にしないで、思いっきりお笑いネタにしているところに驚かされる。

 主人公현준が光州在中の少女マンガ家という設定も冴えている。
 そこには職業に対する差別問題提起が隠されていて、현준がガールフレンド다홍の実家で立派な韓国人男性として認められるために、光州方言を必死で直し、「ソウル出身」と偽る一連のエピソードは、大爆笑の連続だが、「人物の優劣=学歴・経歴・出身地」で片付けてしまう社会のあり方を、かなり厳しく糾弾している。

 釜山に住むお嬢様、다홍の実家も複雑だ。
 父親はひどい地域差別主義者、兄はオカマ、姉は婚期を逃したオールド・ミス。
 唯一、常識の規範に沿っている母親춘자(=김수미)も、実はその出自を家族に隠していたりする。
 そして、父親が強引に다홍との結婚を押す男性(=정웅인)の素性が、「韓国男子らしいタフガイ」ではなかったことが明かされるオチに至っては、「ここまでやるのか!?」のつるべ打ちである。

 だが、そんなひどい差別という困難の中で、主人公현준を手助けしてくれるのが、肩身の狭いサブカルチャー業界に従事する人々や、オカマにゲイだったりするところが、何気で深く巧妙だったりする。

 この作品が素晴らしいのは、そういった韓国的「ヤバイ」ネタを、軽妙に笑いへと昇華させ、しかも感動させてくれるところにあるのだけど、俳優たちの使い方が卓越しているところも見逃せない。

 ベテラン勢は、いつものやっつけ仕事ではなくて、各人の持ち味を生かしつつ、「+α」の魅力を見せてくれるし、なによりも현준演じた송새벽と、다홍の兄演じた정성화が素晴らしい。

 特に、현준が光州とソウルを往復するバスの中で、方言を直す必死の努力をするシーンは、本当に傑出した出来栄えで、현준演じた송새벽にとって、『위험한 상견례』は一生の宝として輝き続けるだろうと思う。

 監督の김진영は、あまり注目されていはいないけど、王道ながらもバランスの取れた堅実なコメディを撮れるクリエイターであり、今回のヒットを機に、大ブレイクして欲しい。
 
 この『위험한 상견례』はドメスティック・ネタの連続だが、韓国映画らしい秀作コメディであると共に、今の日本と韓国、果たしてどちらが、映画における表現の自由について恵まれているのか、ちょっと考えさせられてしまった作品でもあった。

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(時間がないので、はたまた紹介が遅れてしまいました…)













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