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Vol.195 『スピードレーサー』いや、やっぱり『マッハGoGoGo』さっ! [映画]

 韓国で5月8日から、映画『スピードレーサー』が一足早く公開された。

 CGVチェーンが誇る龍山CGVのIMAXで上映されていたので、ちょっと余計にお金を払って(W10000-)観てみた。

 元々、IMAXなんて、デカイだけのこけおどし、といった印象が強いから、あまり映像効果の点で期待はしていなかったのだが、今回観た『スピードレーサー』の場合、“IMAX DMR”という形式で上映されたので、デカイばかりでなく、映像は美しく、今は亡き“テアトル東京”のシネラマ上映を思い出させる。

 映画『スピードレーサー』は、40年ほど前に日本で製作された往年の名作アニメ『マッハGoGoGo』が原作であることを今さら説明するまでもないが、完成するまで、随分と時間がかかった気がする。

 最初にこの映画化の話を聞いたのはもう二十年以上も前の事で、ジョニーデップが主演するとか、リチャード・ドナーが監督するとか、ポシャって低予算映画として製作されるとか、タランティーノが製作するとか、相変わらずバッタ情報が飛びまくり、一向に実体が見えて来ない企画でもあったのだ。

 しかし、今回はウォシャウスキー兄弟が『マトリックスシリーズ』の成功で得た財力がものをいったのか、実にスルスルと製作され、「それまでの出来る出来ない騒ぎは一体なんだったの?」といった感じである。

 ちなみに、韓国で『マッハGoGoGo』は『稲妻号(번개호)』として放映されていたが、若い人の場合、よほどマニアでないと見ていない思う(それは日本も同じか…)。

 この映画『スピードレーサー』は、原作アニメにかなり忠実な印象を受けたが、前半部が、主人公スピードが勝ち上がっていく姿と、彼の回想をいったり来たりする構成なので、話が散漫になり、焦点がぼやけ、非常にもたつく印象だ。
 でも、後半部に突入し、スピードがレーサーXと組んで挑む、大陸横断レースからは、まさに『マッハGoGoGo』の華麗で珍妙な世界が始まる。

 オートジャッキの“シャコン、シャコン、シャコン”というジャンプ以外にも、アニメで描かれたマッハ号秘密のアイテムが忠実に繰り出され大暴れするし、悪役レーサーたちもアニメのイメージそのままで、この大陸横断レースのエピソードこそ、劇中、最も『マッハGoGoGo』らしいところかもしれない。

 キャラクターも何気でアニメにソックリだ。
 主演のエミール・ハーシュはずんぐりむっくりの体形なんだけど、これが三船剛のイメージにぴったり重なるし、レーサーXも(演じた俳優は秘密)覆面レーサーにそっくり(でも顔が少し長いかな)。
 さらに、クリ坊と三平に至っては、お約束通りにマッハ号のトランクに隠れているし、やっていることがアニメそのまんまで、さすがウォシャウスキー兄弟、このアニメのことをよくわかっている。

 しかし、この映画を観て一番驚いたことは、1980年代後半から90年代(つまりバブル期)にかけての、日本における現代アートのイメージが、これでもか、というくらい、劇中の世界観に投影されていることだろう。

 当時のTV-CMやらイラストやらを連想させる、ある意味懐かしい「COOL」な情報が羅列された映像は、「ウォシャウスキー兄弟がこれほどまでに日本オタクだったの?」と呆気にとられるくらい重度にマニアックだ。

 でも、思い起こしてみれば、バブル期の日本って、『スピードレーサー』で描かれたモノが、日常の中で普通に氾濫していた時代でもあった訳で、逆にそのことの方が、本当は凄いことだったのかもしれない。

 この映画『スピードレーサー』で最も賛否両論分かれそうなところが、バーチャル・セットを多用したサイケで軽いデジタルな世界観だろう。
 若い世代からすればゲームそのまんまでしっくり来るのかもしれないが、リアルタイムで『マッハGoGoGo』を観ていた世代からすれば、「なんか違うよね」と感じなくもない。
 なにせ、当時はモノクロで観ていたのだから、全然印象が違うのである。

 デジタルの欠点である質量感の乏しさは、映画のアクションを迫力の無いものにしてしまっているし、VFX担当の中心にいるデジタルドメインの仕事も、質の低下が目立つ。

 肝心のレース・シーンは派手なんだけど、古いTVゲームか、ミニ四駆にしか見えなくもなくて、その迫力の無さは、狙いなのかどうか、観ていてさっぱりわからないのである。

 大陸横断レースで代表される、原作への忠実さは、CGIが多用出来る今だからこそ可能になった映像イメージではあるのだけど、本物の車を使ってやっていたら、もっと迫力があったんじゃないだろうか。
 もっとも、『デスレース2000』になっちゃう気がしなくもないけど…

 映画は大団円を迎え、幕を閉じるが、ちゃんと最後に“マッハGoGoGo~♪”という日本語の懐かしき歌声がリミックスで流される。
 リアルタイム世代からすれば、ここが一番の感涙ポイントかもしれない。

 ちなみに、“ピ(비)=RAIN”ことチョン・ジフン(정지훈)の出番はかなり多く、へたくそなハングル表記も出てくる(なんかとても無理やりなところが泣かせる)。
 彼は完全に噛ませ犬の役なんだけど、必要以上に思える劇中での露出ぶりは、ハリウッドの裏側で暗躍する韓国系アメリカ人たちの精力的な活動を垣間見るようでもあった。

 でも、そんなことよりも、『マッハGoGoGo』というアニメが、いかにぶっ飛んでいて進んでいたアニメであるかを証明した映画でもあって、それが日本人にとっては、一番嬉しい事だったのでは?

GOGOGOG.jpg

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