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Vol.243 X箸附近/ドラマ『恋愛時代』 [韓国ドラマ]

 2006年、韓国で放映された『恋愛時代』を、今頃DVDで観る。
 既に日本のケーブルTVやWEB配信で何度も放映されたから、観た方も多いだろう。
 原作は日本の野沢尚が書いた同名の小説だ。

 このドラマを観るにあたって、事前に原作を読んだのだけど、困った事に、文庫版が実質、在庫切れになっていて、新品で購入できない。
 仕方がないから、近所のBOOK OFFでかろうじて一冊だけ残っていた文庫本後編を見つけて、なんとか揃えたんだけど、意外とこの原作は人気がないのかな~、などと思ったりした。

 作家&脚本家の野沢尚といえば、かつて月刊誌「シナリオ」で延々と「その男凶暴につき」へ対する不満や、恨みつらみを書き綴っていたことくらいしか記憶になくて(当時はそういう言論の自由があった)、どちらかといえば、サスペンスやミステリーを好んで書く作家、そして男どもの世界を得意とする作家というイメージだったので、「恋愛時代」を読み終えた後の感想は、「野沢尚にとっては実験作だったのかな?」という印象の小説だ。

 全体のリズムだとか、人物の造詣だとか、かなり苦心して無理に書いた感じが否めなくて、そういう意味でも作者にとって挑戦的な意欲作だったのかもしれないが、この手の題材は、やっぱり女性の書き手に、男は敵わないなぁ、というのが正直な感想だった。

 この原作小説もTVドラマも、韓国では安定した人気があって、今だ熱心なファンがいるという。
 だが、日本ではこのドラマ版がさして話題にもならなかったのは、やっぱり「韓国的なモノ」を求める日本のファンが好むような感覚のドラマではなかったのではなかろうか?ということだった。

 ドラマ自体はかなり原作に忠実で、それゆえ面白くなかったし、そもそも原作自体が小説として失敗作だったのでは?という疑問があったので、そういった質問を演出を担当したハン・ジスン監督にしたところ、「そうかなぁ~、韓国では今でも人気があるんですけどね」といいつつ、興味深い答えが返ってきた。
 彼に言わせれば、私が感じた「無理な部分」も、日本の小説だから成立しえたのでは?ということであり、それが非常に面白かった、ということらしい。

 話の展開はどちらかといえば、韓国のクリエイターが書きそうな内容に見えたので、それゆえ韓国でドラマ化したのかな、と勝手に考えていたんだけど、そういう訳ではなくて、作り手としては、原作には韓国では成立し難い独自性、韓国にはない魅力を感じた、ということだったのかもしれない。
 ちなみにシナリオは、彼とは別の作家が担当したが、意見交換は頻繁に行ったという。

 このドラマを観ていて一番印象に残ったのは、出来映えの良し悪しや、登場人物ではなくて、ソン・イェジン演じるウノが、元夫ドンジン(=カン(감)・ウソン)に箸の使い方をたしなめられるシーンだった。

 このシーン、実は非常にリアルだったと思う。

 ご存知のように、韓国もまた、「お箸」の国。
 ただ、日本と大きく異なるのは、スプーンも同じくらい使うということだろう。

 最初の頃、この使い分けがうっとうしくて仕方なかったが、慣れてしまえばそれなりに合理的、今では日本でも韓国のスプーンを使っていたりするのだが、やはり箸の持つ汎用性には及ばない。

 日本でもまともに箸がつかえない、俗にいう「X箸」問題が時々話題に取り上げられるが、箸の使い方が年々下手クソになっていっているという点では、韓国も全く同じような気がする。

 その昔、知人の家に居候して飯を喰らっていた時、その家の子供が不思議そうな顔をじっと私のことを見つめるので、「なんで?」と聞いたところ、外国人が箸をきちんと使っているのが不可解で気になっていたらしい。

 そういう彼は立派なX箸。
 仕方ないので、箸の持ち方を伝授したのだが、あまりそういうことを気にしない家庭なんだろう、とその時はそれで終わった。

 だが、その後、食事の時、韓国人の箸使いを見ていると、意外とX箸が多い事に気がつく。
 ある日、うら若き女性と食事に出た時、日本料理が好き、というので、うどん屋で食事を頼んだのだけど、その子は食べるのがやたら遅い。

 最初は単に、遅いだけだろうと思って見ていたのだけど、よーく観察していると、ひどいX箸で、麺類なんかまともにつかめないことを知り、ビックリした思い出がある。
 うどんなんかはフォークみたいな使い方で無理やりステンレスの箸に巻きつけようとするもんだから、えらく効率が悪いし、ご飯の場合、ぐるぐるとかき回している始末。

 その姿が可愛い、っていえばそれまでなんだけど、いい大人がこれ?と、興ざめしたというのが率直な感想だった。

 実は食器がうまく使える、使えないという問題と、味覚に関するセンスの良し悪しは、比例しているのではないか、というのが自説なのだ。

 まあ、その時の雰囲気や会話が楽しければそれでいいんだけど、X箸でぐーるぐる、という女の子の姿に白けてしまうのは、なにも私に限った話ではなくて“韓国の男も又、そういう人がいるんだろうねぇ~”と、「恋愛時代」を観ていて、考えたのであった。

 もっとも、韓国のドラマ版ではそれが二人の愛情の象徴ではあったけど…

4852210.jpg 恋愛時代-serie1.jpg

X.jpg
名作「X橋附近」はこの本に収録されています
(韓国と全く関係ありません)


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