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Vol.358 やっぱり目立つ人/전수경 [韓国俳優]

 전수경。
 前から妙に気になって仕方ない女優の一人だった。
 なぜなら、発せられるオーラの迫力が普通じゃないからだ。

 韓国では俳優にも縄張りと言うか、活躍する分野がはっきり分かれているところがあって、10年前の映画バブルはそこら辺の境をだいぶ緩和したが、「この人は演劇!」「この人はミュージカル!」「この人は映画!」みたいな境界線がどうやらあるらしい。

 中にはこれを超えて活躍している人もいるけど、最終的には原点だったところに戻る、というか、そこを基軸にして仕事をしている人が多いと思う。

 特に舞台と映画、TVにおいては、かなりはっきりした差異があって、「演劇を続けるために映画やTVに出ている」という俳優も結構いるようだ。
 だから彼らにとって日本なんかで「韓流」印を付けられてしまった芸能人は、あまり同業者として受けれたくない心理も見え隠れする。
 「ボロは着ていても心は錦」という志の連中からすれば、海外メディアにちやほやされる「韓流芸能人」は、「都落ちした金持ちのドサ回り」みたいなモノかもしれない。

 전수경という人は、ミュージカルの分野では以前から名前が轟いていた、立派な人気女優だ。
 わりとTVや映画にも出ているけど、メジャーにおいて知名度が微妙なのは、やっぱり活動のスタンスがあくまでも舞台にある、ということだろう。

 韓国でミュージカルを観れば分かることだけど、オーラを放つ俳優が結構たくさんいて、「もっと他で活用できないのかな?」とはよく思うのだけど、映画に出てみるとなんか冴えないというか、浮いていたりして、興行にも結びつかないから、あまり続かなかったりする。
 結果的には映画やTVではバイプレーヤーとして定着することになる。

 전수경という人も、映画で見た限りでは、すごく周りから浮いている事が多い。
 でも、それは彼女がヘタだからではなくて、主演の若手人気モノたちとは明らかに異なった、強烈なオーラをギンギラギンに放っているからではないだろうか。
 だから、主演連中と同じフレームにいると、彼女の方が目立っていたりする。

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 そんな訳で、一度、彼女の舞台を観なくては、と考えていたのだが、折しも『뮤지컬 맘마미아!』の公演が始まったので、観に行った。
「전수경=맘마미아!」という印象もあったからだ。

 今回の公演は혜화でも강남でもなく、下町にある地下鉄신도림駅の脇にできたばかりの디큐브아트센터だ。
 大型商業複合施設の最上階に、この劇場はある。

 母体になる디큐브시티と名付けられた商業複合施設はちょっと変わった構造で、脇にそびえる巨大なツインタワーも日本では見かけないような様式の、非常に目立つ建物だ。

 だが、全体的に突貫工事で無理やりオープンさせたような安普請さも漂い、おそらく日本の震度5レベルの地震に遭ったならば、大惨事の現場になりそうな気がする。
 大きな地震がほとんどない、というの羨ましい。

 食堂街は非常に凝っていて、特に韓式専門街は面白いデザインだ。
 だが、全体的にラーメン屋とトンカツ屋ばかりで、あまり食指が沸かない。
 仕方ないので調理場に中国人が詰めている炒め物屋でエビ焼きそばを注文するが、これは美味しかった。

 디큐브아트센터に入ると、そこは一種のフラッグシップを目指した作りなのか、大変立派な施設だった。
 ただ、観覧料は대학로辺りに比べると遥かに高くて、日本とあまり変わらない。
 円高でないと、ちょっと躊躇してしまう。

 『뮤지컬 맘마미아!』は、日本でも定期的に上演されているお馴染み『マンマミーア!』の韓国版だ。
 ABBAの名曲をベースに、スウェーデンPOPと縁もゆかりもない地中海のリゾート地を舞台にした物語だが、このミスマッチぶりというか、強引さは、戯曲を作り上げたクリエイターたちの凄さを感じさせるものでもあった。
 韓国と関係ないけど…

 座席に着くと結構、色んな年齢層の人達が来ていて、後ろの若い女の子は、どうやら私のように전수경を観に来ていたようだった。

 公演が始まると、驚いたことに、演奏は生、ここら辺も、観覧料金が高い理由だろう。
 だが、生演奏はどこかでトチるという楽しみもある。
 今回はギターが大きくトチっていた。

 肝心の전수경はすぐには出てこない。
 だが、出てくると一発で彼女だと分かる。
 比較的長身であることもそうだが、声の通りが素晴らしいことに加え、あちこちピョンピョンと飛び跳ねているで、目立つこと、目立つこと。
 30歳過ぎるとミュージカルという仕事は相当キツイと思うのだけど、天性の身体のバネの良さを感じさせる動きだ。
 もちろん、日頃、かなり鍛えているのだろう。

 とりは、おばさん三人組が例のABBAっぽい衣装でヒットメドレーを歌いまくるという、「最初からこれでやれよ」的な楽しい締めくくりで終わるが、一番華があって、声もはっきり分かるのが、やっぱり전수경。
 この人は舞台でも目立つ人なのであった。

 ただし、今回の舞台、なにも전수경だけが活躍していたわけではなくて、女性陣はみな良かった。

 それなりのお歳ではあるのだが、若手を圧倒して歌って踊る姿は、韓国ミュージカルを支える俳優陣の質の高さを感じさせる舞台でもあった(でも、日本の俳優がダメ、ということではありません)。

 逆に、男性陣は妙に存在感がない。
 もともと、そういう戯曲だから、ということもあるが(母系家族がテーマでもあるし、ジェンダーフリーの思想も感じさせる)、異常に地味である。

 あとで調べたら、이현우も出演していたのだけど、「えっ?どこにいたの?」

 でも、それって、彼もまた、的確で、いい仕事をしていた、ということなのかもしれない。

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