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Vol.379 魔物に導かれる彼、パク・ヘイル(박해일) [韓国俳優]

 2012年4月25日に韓国で公開された『은교』は、色々な意味でダークホースになりそうな作品だ(韓国内興行成績はイマサンだけど…)。 

 박범신の小説を映画化した作品だが、全編、最近の韓国映画では観たことがないような、形容し難い魅力と個性が漂っている。
 「映画」でありながら、まるで小説を読んでいるかのような「行間」の感覚が観るものを捉え、ジャンルでいえば、人間ドラマであり、エロスであり、サスペンスであるが、一言で括ることを拒否しているような映画でもある。
 それは冗長であるとともに、なにか波間を漂うような、不気味な心地良さも感じさせるのだった。

 全編にかけて、정지우監督の強い執念が貫かれているようでもあって、特に김무열が好演した지우の悲惨な最後のシーンは、そのエネルギーが結集したかのようだ。

 もうひとつ、この映画『은교』の特異な点は、1977年生まれの박해일が、最初から最後まで凝ったメイクの老人役で出演することである。
 だが、これもまた、登場人物の一貫性にこだわった정지우監督の執念だとしたら、納得ゆくものであって、映画を見終わると、ダブルキャストにしなかった選択が正しかったことがわかる。

 この映画を観終わった時、私が強く感じたことは「遂にこういう感性の作品が韓国映画に出現したか」という感慨とともに、主演の박해일が、映画という「魔物」に、何か宿命を背負わされた俳優なのではないか、ということである。

 박해일が2001年に公開された『와이키키 브라더스』でデビューした時、その存在感と個性は将来性を期待させたが、同時に、安易なアイドルに落ちぶれてしまいそうな危うさと、方向性がはっきりしない不安定さも持ち合わせた、若手ルーキーの登場でもあった。 
 その後、박해일は、韓国映画界で順調にキャリアを積み上げてゆくが、いつも中途半端という印象がつきまとう。

 そんなイメージを一変させたのが、2003年の名作『살인의 추억』だった。 
 だが、この作品で演じた不気味な容疑者役は、それまでのイメージを極端な方向に反転してしまう。
 それはどう考えても、박해일の個性に準じたものではなかった。

 主演級の俳優としての地位を得た彼だったが、やはり、そのイメージはあやふやで曖昧なままだ。
 アイドル、というにはすでに歳を取りすぎていたし、演技も格段上手い訳ではなく、「個性派」というにも弱すぎる。

 キャリアとしては順調でも、俳優としての存在が、相変わらず、はっきりしない。
 だが、ここでまた、運命の邂逅とも言えそうな「事件」が起った。

 2011年に公開された主演作『최종병기 활』の大ヒットだ。
 全編、ひたすら追跡と戦いに明け暮れた、この時代劇もまた、박해일のイメージに決して結びつく作品ではなかったが、彼は重い運命に立ち向かう青年남이を演じ、敵役の류승룡と正面から渡り合う。

 そして、今回の『은교』における「異様」な好演。
 『은교』は、再び彼のイメージを混乱させ、不明瞭にする。
 しかし、そこに、박해일を予測不能の未来へ導こうとする、謎の存在がいることを幻視してしまったのは、果たして私だけだろうか?

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