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Vol.519 名盤紹介 『バンジージャンプする(번지 점프를 하다)』 [韓国映画音楽(OST)]

 『バンジージャンプする(번지 점프를 하다)』は2001年に公開された韓国映画群の中で、飛び抜けて異彩を放つ作品だった。

 その特異なプロットは「隠れホモ映画」とも揶揄され、一部の保守的な人々にはバカにされたが、公開当時、口コミ的な支持を集めて、スマッシュ・ヒットになった。

 この作品が韓国で公開される前、このことを予想した関係者は、かなり少なかったのではないだろうか?

 当時、現地で観た日本人の間でも割りと評判になり、美しい映像も相まってか、幾つかの日本の会社が買い付け交渉に臨んだが、韓国側売り手が韓流バブルを見込んで価格を釣り上げ、なおかつ他作品との抱合せ販売にしか応じなかったので、日本公開は、しばらくを待たなければならなかった(※)。
(※)日本公開は2005年4月

 今ではイ・ビョンホン人気に便乗してか、日本でも結構知られた作品になったが、当時の彼は俳優として今ほど過剰に偶像化がなされておらず、本当の意味で個性派だったと思う。

 この作品のOSTについて語る時、全ては主題歌に使われた、キム・ヨヌ(김연우)が歌う『오그대는 아름다운 여인』に尽きる。
 澄み切った高音のボーカルで奏でられる美しいバラードは、この曲に対して原体験が無い外国人でもそれなりに心打たれるはずだ。
 衝撃のラストを迎えた時、この『오그대는 아름다운 여인』が流れ、映画は終わるが、それは感動というよりもトラウマ経験だった。
 
 『오그대는 아름다운 여인』は、元々、韓国の伝説的ロック・バンド『들국화(野菊)』が歌っていたものが原曲で、軍事政権下で多感な時代を過ごした人々にとっては特別な曲かもしれず、1967年に生まれた監督のキム・デスン(김대승)にとっても、色々と複雑な想いがあっただろうことは想像に難くない。

 私もかつて韓国でミュージシャンをやっている知人から、この『들국화』を勧められたことがあった。

 彼は韓国の音楽シーン全般に漂う安易さに対して、いつも懐疑的だったが、この『들국화』は韓国のロックでも全く別、と語っていた記憶がある。
 
 2000年代に入り、日本では特定企業が販売を行う音楽とグループばかりが「K-POP」と称され派手に喧伝されたおかげで、韓国の音楽を聞く人は良くも悪くも増えたが、政治的メッセージや庶民の哀しみや喜びを込めた、時代を反映した韓国らしい曲や、それを歌うアーティストたちは、まだまだ、まともに紹介されていないと思う。

 この『오그대는 아름다운 여인』は、泥臭くとも韓国の音楽が持つ独自の音楽力、特にバラードが持つ力を侮ってはいけないことを改めて認識させてくれる名曲だろう。

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