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Vol.523 大学路から [韓国生活]

 通称「大学路」がある恵化洞界隈は意外なほど、明洞や鍾路三街といった江北の有名観光地区へ近い位置にある。

 観光案内的に言えば地下鉄4号線を使うのが定番かもしれないが、実はこれが一番効率が悪く、場所(移動先)によってはバスか、思い切って徒歩の方が合理的で早かったりする。

 筆者はこの恵化洞界隈で遅くまで飲んだ後、宿まで歩いて帰る事が多いのだが、そっちの方が時間的に無駄がないからだ。
 でも徒歩で帰る一番の理由は、昌慶宮路から栗谷路に沿った道のりが好きだからでもある。

 昌慶宮路と栗谷路は大きな道路なので、夜中でも結構車が走っているが、住宅街を過ぎてしまうと真っ暗な上、全然人気がなかったりする。

 でも、タクシー代その他をケチる人はどこにもいるから、一見物騒な暗い道であっても、時折独り歩きとすれ違ったりするし、たまに女性の独り歩きを見かけたりするくらいだ。

 途中、ソウル大学病院だとか弘化門があったりするが、昼間とは様相がまるで異なるので、とても面白く感じられたりする。

 正直、犯罪に巻き込まれても仕方ない状況ではあるのだけど、繁華街からこんな場所まで後をつけてくる韓国のワルは、あまりいないような気がする。

 とはいっても、ここ数年、韓国における性犯罪率は急激に高くなっているらしいので、女性にオススメはできなのだが、連れがいるなら暗い夜道を一緒に歩いてみるのも一興だと思う。
 ただし、送り狼に要注意なのは言うまでもない。

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Vol.522 大学路にて [韓国生活]

 ソウルの恵化洞こと通称『大学路』近辺は、高級住宅街でもあるが、江南辺りとやや違うのは良い意味で古い土着臭がそこかしこに漂っていることだろう。

 街自体は小さいが、適度に時間を潰せるお店が揃っているし、スーパーマーケットも複数あり、その品揃えは悪くない。

 映画館は旧ファンタシウム、今のCGV大学路だけになってしまったが、かつては映画館が幾つもあって、それなりにミニシアターの街として機能していた時代もあった。
 宿泊施設がイマイチなことだけは外国人にとって欠点かもしれない。

 「大学路」は演劇の街として日本でも最近は有名だ。
 それこそ大小様々な劇場がひしめき合い、夜遅くになると飲み屋は演劇関係者ばかりになる。
 だからか、大スターになってもこの場所に愛着を抱き続け、常連として馴染みのお店に通う人達もいる。

 「スターに逢いたきゃ、夜の狎鴎亭に行け!」ではあるけれども、業界人たちにとって江南界隈はあくまでもビジネスの場であり、江北界隈はそれに比べると一部の人々にとっての原点なのではないか。
 これは恵化洞のみならず、かなり廃れてはしまったが忠武路こと筆洞辺りにも言えることだ。

 両者に共通するのは古いソウルの情景がまだ残っていることであり、そこに過去の貧乏臭さが垣間見える、ということであり、そしてこれらがソウルで失われつつある一種の安心感に繋がっていると思うのである。

 恵化洞に隣接する明倫洞には有名私立「成均館大学」があるが、その周辺はあまり学生街の香りがしない。
 もっとも、この大学の現主力であろう理系キャンパスはスポンサーたるサムスン財閥のお膝元、郊外の水原市に展開しているので仕方ないのかもしれない。

 「大学路」という名称は日本の旧帝大一翼を占めていた「京城大学」がかつてここにあったことに由来する訳だけど、光復節後、もう少し他の大学が集まっても良かったんじゃないかと思う。

 ソウルで「大学街」といえばどうしてもサブカル系な新村界隈か、ちょっと南に下がってバンカラっぽいソウル大周辺というイメージが筆者にはあるのだけど、恵化周辺にはこれらの界隈にはない、足が地に着いた趣きがあるといつも思うのである。

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Vol.521 安重根義士記念館を行く [韓国カルチャー]

 徳寿宮前から市内バスに乗って、南山中腹にある安重根義士記念館へ向かう。
 南山図書館前で下車して、図書館の脇にある林を抜ければ、2010年にリニューアル・オープンした記念館の建物裏側に出る。

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 前の記念館は、朝鮮様式に沿った瓦葺きの建物だったが、今はソウルの街中にゴロゴロしているつまらない現代様式、こういうのを見るたびに、行政の裏にいるゼネコンの影を感じる。
 全面ガラス張り、長方形をした4棟の奇妙な建物からなっていて、いかにも光熱費が無駄にかかりそうだ。

 ちなみにここからソウルタワーまでそれほど遠くはなく、料金の高いケーブルカーを使いたくない人や、麓から山頂上までは歩きたくない人にも、中々、合理的なルートかもしれない。
(「南山行き」といえば専用の循環バスが存在するが、これがとんでもない代物、時間を無駄にしたくない人は使わない方がよい)。

 記念館近くには、お決まりの上着を翻す安重根の像があり、その他にも至る所に指を詰めた手形がシンボル化されて配置してある。

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 最近日本で目立ち始めているお手軽な反韓・嫌韓派にとって、のっけからツッコミどころ満載だが、真面目な右翼の人たちからすれば、意外と敬意を持って向き合える雰囲気も漂っているのではないだろうか。

 この建物は、ソウル市特別教育研究情報院およびそれに隣接する広い駐車場が隣接しており、ソウルタワーに向かうための中継基地のような場所になっていて、人影こそ多いが、その流れは記念館とは全く反対方向だ。

 記念館に入ってみると、非常に静かである。
 そういうことを求められる場所でもあるけれど、それ以前に人がいない。

 ボランティアらしき学生の案内で、ルートに沿って展示場に進むことになるが、まず対面するのが鎮座する安重根を描いた、白く巨大な像だ。

 とりあえず、像の前で黙祷するふりをして先に進む。

 内部は意外と狭く、4棟全てが展示場に割り当てられている訳ではないようだ。
 展示場として機能しているのは2棟だけといった感じで、後は何に使っているか、謎である。
 まあ、安重根の歴史研究施設があるということにしておこう…

 エスカレーターを上がり、表示に従って先へ先へと行く。
 筆者が訪れた時、先行している入館者は幼児を連れた若い夫婦のみ。
 そこに剣呑な空気はなく、何かのついでに訪れたといった感じである。

 展示内容は、韓国この手の施設、お約束の展開だ。
 そこに日本人として怒りを感じるか、呆れるか、失笑するか、はたまた賞賛するかは人それぞれだろう。
 
 筆者第一の感想は、基本的にここが、歴史を考えたり、伝えたりする場ではない、ということである。

 これは西大門刑務所や民族独立記念館も似たようなものだが、史実うんぬんというより、韓国独自のカルト教義を教授する施設であって、その教典を展示している場所、と考えたほうが外国人には分かりやすいかもしれない。

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書かれている意味は日本のそれと違うんだろうな…

 日本人として興味を惹かれるのは、やはり当時の日本語資料だろう。

 ガラス・ケースの中にしまわれている文書の多くはレプリカと思われるが、普通の日本人ならそこそこ内容が読めるものなので、これじゃ、韓国人にとって逆に都合悪いのでは?なんて気もする。

 だが、今の韓国、ごく一部の専門家や日本語使い以外は、何が書かれてるか読めないと思われるので、韓国人相手であれば問題にならないのだろう。

 各フロアは安重根に関する各エピソード別に分けられていて、あるフロアでは逮捕された安重根が如何に不当な裁判を受け、さっさと処刑されたかが強調されて説明されている。

 が、そこにある日本語資料を読むと、その主張とは逆の印象も受ける。
 それは当時、我々日本人が思う以上にまともな裁判が行われ、日本側には彼を公平に扱うよう主張する人たちが少なからずいたようにも解釈できたりするのだ。
 昔の裁判を現行と照らし合わせて文句たれるなら、それは安重根に限らず、別の事件で捕まった当時の日本人だって同じようなものだったのでは?
 
 例の十五箇条も紹介されているが、これもまた精読すると逆効果といった感じだ。
 だからこそ、展示前半の部分で伊藤博文が、大陸征服の個人的野望をたぎらせる【悪の頭領】如く扱われているのかもしれないが…

 この施設に子供たちを伴って訪れた大人の中で、展示された資料をちゃんと理解し、きちんと説明できる人が、果たしてどのくらいいるのだろうか?(…といいつつ、それは日本でも大して変わらないか)

 個人的に最も興味を惹かれたのが、暗殺当時、安重根が使ったことになっているM1900ピストルのレプリカと伊藤博文の検死所見だ。(ちなみに、以前の記念館ではブローニング・ハイパワーが展示されていた)

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 伊藤博文に打ち込まれたという弾丸の写真もあって、ご丁寧なことに弾頭には十文字が彫ってあったりするけど、変形していないし、線条痕も付いていない。

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展示は写真のみ

 伊藤博文暗殺については、当時から【安重根=実行犯にあらず】説が根強く囁かれていて、その証拠として遺体からはフランス製カービン銃の弾頭が摘出されたという話があったので、そこら辺について何か説明されていないかと期待していたのだが、さすがにそれは見当たらず、ちょっと残念。
     
 あくまでも安重根が32ACPを伊藤博文にぶち込みました、という前提だったが、詳しい人が日本語で書かれた検死所見を読めば、何か別のものが見つかるかもしれない。

 その他にも「断指同盟」結成の際に切断した指先のレプリカとか、安重根が収監された監獄の再現などがあって、ハードゴア系好きなら、そそられそうな展示物がおいてある。

 でも、筆者的には「こうして記号ばかりが残され、そこから憎悪が増幅され、次の世代へ捻じ曲げられて継承されてゆくんだろうな」という、悪い見本にしか思えない。

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 展示を全て見終わると出口直前にお土産物屋があって、「安重根」印のネクタイやら湯のみやら、その他小物がやる気なさげに置かれていて、購入できるようになっている。

 筆者が建物を出る直前、入り口の安重根像の前には見学に来た小学生と思われる一行が来ていて、引率者になにやら説明を受けていたけど、それを眺めながら、彼らのうち一人でもいいから、展示内容に疑問を抱き、カルト的くびきから離脱した立場で歴史を学ぼうとするきっかけに、この施設がなってくれればなあ、と切実に願うのだった…

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Vol.520 ラーメン大作戦 [韓国の食]

 ここ数年、韓国は物価がどんどん高くなっていて、割安感というものがほとんど無くなってしまった。

 ソウルだと東京辺りと大差なくなっていて、質の面を考えれば日本の方が遥かにお得感覚が強くなっている。

 地下鉄やバスがまだ安いのは救われるにしても、昔より交通カード再チャージの頻度が高まったのはいうまでもないし、効率やらサービスを考えると日本のそれに及ばないから、相対的にこちらもかなりパフォーマンスが悪くなっている。

 それではソウルに来て、何が節約できるだろうか?

 元々、筆者は無駄な買い物を韓国ではしない主義だから、最も節約可能な項目と言えば【メシ代】ということになる。

 以前書いたように、筆者は宿近所のマーケットで食材をまとめ買いし、それを毎日調理することで、交際費だとか交通費なんかに回せるお金をW1でも捻出するように努力している。

 今回は、よりケチるべく、食事の基本を袋麺(袋入りインスタントラーメン)で攻めて見ることにした。

 なぜなら、カップ麺よりもコストの面で優れているし、ゴミも少なくて済むからだ。

 ただ、今の韓国、袋麺も決して安くなく、セット買いしても日本で買うのとあまり変わらなかったりする。

 その上、不味い製品が多い(辛ラーメンなんてその代表だろう)ので、大して節約のメリットが感じられなかったりはするのだけど、炭水化物と水分を同時に摂取できるので、忙しい朝は結構合理的で重宝したりする。

 ただし、塩分や脂分を考えると明らかに体に悪いので、袋麺は一日一食とし、そこにおなじみのチョンガクキムチを付け加え、後はバナナで栄養を補う献立を一週間通して見た。

 【調理方法】

 宿で袋麺、といっても調理方法は至って簡単だ。 
 日本のダイソーで買い求めた電子レンジ用ラーメン調理器を使うだけである(ちなみに韓国のダイソーに置いてあるかどうかは未確認)。

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調理器…

 筆者は日頃、この手の料理を食さないので、「本当にこれでラーメンが出来るのかよ」と半信半疑だったが、仕上がりは全く問題なく、韓国製袋麺の場合は、よほどこの調理器で作った方がいいのでは?と思ったくらいである。

 韓国の袋麺はある程度、グダグダに煮込むことを想定しているようなので、調理時間を1~2分長めにしてやることで、程よい仕上がりとなる。

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見た目はキモワルでも味はいいです…

 ちなみに、キムチも一緒に煮込んでしまった方が味が馴染んで美味しいと思う。
 使うキムチも、やはりチョンガクキムチが一番合う。
 ペチュキムチなどの葉モノ系は酸味が強くて、ラーメンの味が負けがちになる。
 まあ、個人の好みではあるが…

【食べた袋麺について】

 今の韓国、国内向け袋麺も独自に発達を続けていて、機能性を持たせたり、高級志向の製品が増えている。
 その中でもスーパーで普通に入手出来、日本であまり紹介されていないものを中心に幾つか選んでみた。

 今回食べた中だと、の「꽃게짬뽕(풀무원)」と「맛있는 라면(삼양식품)」がおすすめだ。
 「통영굴짬뽕」も悪くないが、「꽃게짬뽕」よりちょっと風味が落ちる。
 もっと、牡蠣臭くてもいいと思うのだが…

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 これらの製品はスープ、麺、かやくともワンランク上の味で、偏見を抜きに、日本でもそれなりの評価を受けそうな味の袋麺だ。
 まさか、自分が韓国製袋麺を美味しいと思うなんて、驚いたくらいである。

 結論から言えば、大人ならこの献立一日一食程度で十分な量だ。
 逆に小食になるので、連日、屋台料理やカルビ、サムギョプサル、サムゲタンなどを食い歩き、韓国製の焼酎やマッコルリを多量に飲むよりも、遥かに健康的で快適な生活が送れるのでは?(もちろん、韓国で暮らす場合はちゃんとした食事を摂りましょう)

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Vol.519 名盤紹介 『バンジージャンプする(번지 점프를 하다)』 [韓国映画音楽(OST)]

 『バンジージャンプする(번지 점프를 하다)』は2001年に公開された韓国映画群の中で、飛び抜けて異彩を放つ作品だった。

 その特異なプロットは「隠れホモ映画」とも揶揄され、一部の保守的な人々にはバカにされたが、公開当時、口コミ的な支持を集めて、スマッシュ・ヒットになった。

 この作品が韓国で公開される前、このことを予想した関係者は、かなり少なかったのではないだろうか?

 当時、現地で観た日本人の間でも割りと評判になり、美しい映像も相まってか、幾つかの日本の会社が買い付け交渉に臨んだが、韓国側売り手が韓流バブルを見込んで価格を釣り上げ、なおかつ他作品との抱合せ販売にしか応じなかったので、日本公開は、しばらくを待たなければならなかった(※)。
(※)日本公開は2005年4月

 今ではイ・ビョンホン人気に便乗してか、日本でも結構知られた作品になったが、当時の彼は俳優として今ほど過剰に偶像化がなされておらず、本当の意味で個性派だったと思う。

 この作品のOSTについて語る時、全ては主題歌に使われた、キム・ヨヌ(김연우)が歌う『오그대는 아름다운 여인』に尽きる。
 澄み切った高音のボーカルで奏でられる美しいバラードは、この曲に対して原体験が無い外国人でもそれなりに心打たれるはずだ。
 衝撃のラストを迎えた時、この『오그대는 아름다운 여인』が流れ、映画は終わるが、それは感動というよりもトラウマ経験だった。
 
 『오그대는 아름다운 여인』は、元々、韓国の伝説的ロック・バンド『들국화(野菊)』が歌っていたものが原曲で、軍事政権下で多感な時代を過ごした人々にとっては特別な曲かもしれず、1967年に生まれた監督のキム・デスン(김대승)にとっても、色々と複雑な想いがあっただろうことは想像に難くない。

 私もかつて韓国でミュージシャンをやっている知人から、この『들국화』を勧められたことがあった。

 彼は韓国の音楽シーン全般に漂う安易さに対して、いつも懐疑的だったが、この『들국화』は韓国のロックでも全く別、と語っていた記憶がある。
 
 2000年代に入り、日本では特定企業が販売を行う音楽とグループばかりが「K-POP」と称され派手に喧伝されたおかげで、韓国の音楽を聞く人は良くも悪くも増えたが、政治的メッセージや庶民の哀しみや喜びを込めた、時代を反映した韓国らしい曲や、それを歌うアーティストたちは、まだまだ、まともに紹介されていないと思う。

 この『오그대는 아름다운 여인』は、泥臭くとも韓国の音楽が持つ独自の音楽力、特にバラードが持つ力を侮ってはいけないことを改めて認識させてくれる名曲だろう。

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Vol.518 宿の追憶 [韓国生活]

 筆者はソウルに行く時、基本的に定宿に泊まるようにしている。

 しかし、「定宿」といっても何か特別契約をしているわけではないから、他の人たちと部屋取り競争をやらなくてはいけない。

 これが結構シンドくて一番嫌なワケだが、宿のスタッフが顔を覚えてくれれば、ある程度、こちらを考慮してくれるようになるので仕方ない。

 また、場所や値段など、筆者の要望に沿った宿は本当に少ないので、そういった場所を見つけたら、経営者が変わるようなことが無い限り、使い続けることになる。

 今使っている宿は設備こそ大したことはないが、価格が安い上、外国人向けに特化していて、困った時など色々頼りになるし、なによりも場所がいい。

 バスと地下鉄両方共、ルートの選択肢が多く、主要な場所までほとんど一本で行くことができ、特に恵化から徒歩で20分程度なので、大学路で飲んだ時は終電を一切気にしなくていいし、演劇を観覧する際も便利である。

 その他にも、ソウル中に散らばった主要なアート系映画館へのアクセスについて便利性が極めて高い。

 筆者が最初定宿に使っていたのは、筆洞にある中級の、昔は映画関係者御用達で有名なホテルだった。

 サービスもよく、値段も安く、外国人対応と、ソウルの安い宿泊施設の中では非常に気に入っていたのだが、ワールドカップを境に物凄い値上がりした上(もちろん大改装もやった)、それまでお世話になっていたスタッフの多くが解雇されてしまったので使うのを止めた。

 次の定宿に使っていたのは、舎堂駅近くにある古ぼけたホテルだ。

 どうやら、ある一家が物件を買い取って経営していたらしく、フロントにいるのは、いつもおばちゃんやおじいさんだった。

 そこは外国語が全く通じないホテルではあったが、あんまり筆者が頻繁に泊まるので、フロントに顔を出せば、ツーカーで分かってくれるようになり、一度火事になり焼け出されたが、良くも悪くも家族的だったので、その後も舎堂に用事がなくなるまで使い続けた。
 あの一家は今もフロントにいるのだろうか。

 その次は新林駅近くにあるモーテルだった。

 基本的にはラブホだが、そこだけはビジネスホテルの色合いが強くて、当時のソウルでは希少なタイプの宿だった。
 値段は安いが設備がよく、部屋も綺麗だった。
 かなり分かりにくい場所にあったが、モーテルが乱立する新林駅界隈でも人気があったようで、週末は満室になることが多かった。

 その後、三成洞にあるモーテルに宿を変えたが、なぜかというと江南界隈での用事が増えたためである。

 当然、狎鴎亭辺りの宿なんか高すぎて使えないので、微妙な場所にある、そこそこ安いモーテルを探して使うようになった。

 個人的にはそこを気に入っていたが、経営者が地下にあるサロンに力を入れ始めたらしく、改装後えらくサービスが悪くなり、泊まるのをやめてしまった。

 幽霊が出たのは、このモーテルのことである。

 そんなこんなと、いくつかの遍歴を経て、今の宿に落ち着いたワケだが、貧乏ツーリスト向けの安宿は、どうしても安かろう悪かろうで、やはりアタリは少ないように思う。

 韓国の物価上昇が著しい今、ビジネス向けに特化した安い宿泊施設が、ソウルで、もっと増えて欲しいことは変わらない。
 個人的にはレジデンス形式の宿が理想的だが、どこも高すぎるし、安いところは予約競争が激しい上、設備がひどかったりする。

 一度、上げ膳据え膳の高級ホテルに泊まってみたいとは常々思ってはいるけど、安いホテルとの差額で出来ることを考えれば、とてもではないが、韓国で一泊W100000-相当を超えるようなところに泊まる気にはなれない。

 もっとも、そんな予算はいつもないというのが一番の理由だけども…

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ああ、舎堂

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Vol.517 ケジャン考 [韓国の食]

 ケジャンを食べなくなって久しい。
 稀に食堂の突き出しで食べるくらいだ。
 かつて、ケジャンといえば韓国料理独自の珍味、美味の代表格として日本では語られることが多かったが、最近、どうも影が薄い。
 でも、それは韓国でもそうなのではないか。

 かなり前に、方背洞へケジャンを食べにいったことがあった。
 ここら辺界隈は、ケジャン専門店が集まっていることで有名な場所だったが、当時からすでに、えらく廃れていたことには驚かされた。
 同行した知人曰く「最近の若い人は食べませんからね。それに価格が高いから、経済状況がよくないとみんな行かなくなるんじゃないでしょうか」
 今から十年以上前のことだ。
 ただし、専門店らしく(店員はおばちゃん一人だが)、非常に美味しかった。

 かにみそと卵を白飯に混ぜるといくらでも食べることができ、「こりゃあ、ヤバイ」と感じる味だった。
 あんまり美味しいので、次の日の昼間にも車で来てしまったくらい(駅から遠い)である。

 日本では、一般的に新沙洞の某専門店が昔から有名らしいが、筆者は一度も訪れたことはない。
 値段が高すぎるし、韓国の友人たちからも、食べに行こうなんて提案はまずなかったからだ。
 独りで食べに行くようなお店でもないから、なおさらである。

 今では日本でも常識に近いが、ケジャンは大きく分けて二種類ある。
 一つはコチジャン系薬味に漬けたもの、もう一つはカンジャン系薬味に漬けたものだ。
 個人的には後者の方が圧倒的に好きである。

 蟹もおおまかに二種類あって、一般的なのはワタリガニを使ったものだが、小型のイシガニを使った方が本来のケジャンに該当する、という話もある。
 実際、こだわりのお店だと、イシガニを使った方が出されることがある。

 ただ、このイシガニは本当に食べる部分がないので、やっぱりワタリガニの方が美味しい。
 カワガニを使う場合もあるらしいが、材料が希少なので食べたことはない。

 そういうわけで、「久しぶりに食べたいな~」とは、いつも思うのだけど、いつも行く機会がないし、暖かくなる季節は危ないから、なおさらだ。

 これはケジャンに限らず、ユクフェにしてもポッサムにしても屋台料理よろずにしても、気候が暖かくなると、一挙に食中毒の危険度が増すからである。

 だから、春から夏にかけての韓国は、野菜以外、本当に食べるものがないなぁ、といつも、しみじみ思うのであった…
(極私的ケジャンの美味しい食べ方)
 次に紹介する方法は危険と隣り合わせなので、お試しされる場合は自己責任で行なって下さい。

 そして、11月~2月以外の気温が上がる季節は試されないことをお勧めします。

 かつて、ソウルの某有名店では死者が出たという話も聞きますので、ケジャンによる食中毒を甘く見ないことをお薦めします。

1.高級デパートなど、衛生面がまともな場所で、肉厚のカンジャンケジャンを購入します(=ワタリガニを使ったもの)。
その際、漬け込み用のカンジャンを多めに入れてもらいましょう。

2.日本に持ち帰ったならば、封を切らないでそのまま、冷蔵庫の下や、奥の方にしまいます(=出来るだけ温度の低い位置)。
パーシャル・ルームがあればその中に(でも、凍らないように注意)。

3.一週間から十日ほど放置します。

4.冷蔵庫から取り出し、お皿に開ます。
カニの身がトロトロに溶けてカンジャンと混ざり合い、大変美味になっています(若干アンモニア臭あり)。

筆者は放置十日までしか試していないのでどこまでOKレベルか、分かりませんが、パーシャル・ルームだともう少し置けるかもしれません。

この食べ方は危険ですが、そもそもケジャンというものは、冷蔵庫の無い時代にカニを保存する手段の一つでもあったわけで、意外と持つものです。
もちろん、プリプリ系が好きな人はすぐ食べた方がいいでしょう。
コチュジャンに漬けたタイプでも応用出来ます。

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紅ズワイガニのケジャン
こういう豪快なのもあるらしい

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Vol.516 くるりと上着を翻し [韓国カルチャー]

 昨年(2014年)、しばらく日本のマスコミで取り上げられていた「ハルビン・安重根記念館騒動」を覚えている方は多いと思う。

 だが、「安重根」に限らず、韓国では義士だとか烈士、殉士という称号の英雄たちが沢山いて、その数は増えるばかりだ。
 英雄たちを賞賛する市井の人々の多くが、「史実がどうたらこうたら」ということよりも、付随して語られる「感動の物語」の方に、自己陶酔しているだけなのでは?と感じてしまうことがよくある。

 日本で言えば、戦国武将や幕末の志士に憧れを託す様子に近いかもしれない。

 ある韓国の知人はネットに反日ネタをアップし、他の反日ネタには「いいね!」を連発、光復節になれば感涙を流して、抗日烈士を讃え、日本は大嫌いと言いつつ、日本人は友達とも語り、日本文化や日本人女性に対して並々ならぬ興味を持っていたりする。

 そんな矛盾だらけの彼の言動を見ていると、韓国英雄群像の筆頭に立つ「安重根」とは、韓国的混沌の暗喩なのかもしれないとも思うのだった。

 ところで、かなり前のことだが、ソウルで「安重根」を絶賛する韓国人ならぬ日本人と会ったことがある。

 戦中派の方らしく、現在は地方で農業を営んでいるという。
 韓国は観光でよく訪れるようで、彼の地の素晴らしさを誇らしげに筆者に話した後、安重根義士記念館を訪れて感動したことを強く主張し始めた。

 「あなたたち戦後生まれには、この私の気持は分からないでしょう?」

 この言葉のしつこい繰り返しにはうんざりさせられたが、「なぜ、安重根は偉大なのか」という肝心の説明は一切なく、ただ、ただ、賞賛が続くばかり。
 そこに、この人が幼い時に叩きこまれたであろう、日本における戦時中の愛国教育が垣間見えたような気がした。

 ちなみに筆者の両親はその人とほぼ同じ位の年齢だが、韓国や北朝鮮、それに関係するものを毛嫌いしている。
 なぜかと言えば、日本で紹介される彼の国の愛国的・反日的主張は「戦中の日本を思い出すから」という。

 だが、「韓流」なるものに熱を上げたり、韓国をやたらと持ち上げて讃える同じくらいの年齢の日本人も結構いた訳だから、人間なんて、いい加減なものである。

 でも、それが一番怖いことなのでは?

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南山中腹で、なぜか上着を翻すヤッさんの勇姿…


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Vol.515 臥龍洞を行く [韓国カルチャー]

 ソウルの江北にある、臥龍洞(서울 종로구 와룡동)は、安国洞に隣接する小さな一区域である。

 有名な仁寺洞界隈から徒歩で7,8分程度だが、寂れた空気がいつも漂っている。

 秘園の脇に沿って、鍾路三街まで伸びる狭い裏路地には韓式の平屋が林立し、昔のソウルをちょっと忍ばせる雰囲気がある(道端に転がる犬のウンコには注意しましょう)。

 近所にソウルの代表的観光スポットが幾つもあるのに、街には活気がない。
 だが、それがここ独特の落ち着きを生んでいるともいえる。

 いつも人影はまばら、まだまだ古い旅館にラブホテル、生活臭が漂う個人経営のスーパーがあったりと、観光客を呼びこむような明媚さとは程遠い場所だが、急速に失われつつある「リアル・ソウル」の一端を見るようでもある。

 ここ数年、旧家屋や宿泊施設を改造した外国人向けのリーズナブルなゲストハウスが急増し、それに伴って外国人観光客の姿が一応増えた。
 時には地元の人よりも外国人の方が多く街を闊歩しているように見えるくらいだ。

 だから、表通りにはそういった客層を狙ったお店が随分増えたが、どうみても商売繁盛に見えなかったりするのが、やはり、この街らしい。

 臥龍洞から北西へ10分ほど歩いたところに今ではおしゃれな地として再生した北村洞があるが、ここと比較すれば、臥龍洞は昔ながらの町並みを観光資源として活用し損なったようにも思える。

 でも、仁寺洞や北村洞界隈が外国人向けのつまらない街角になってしまったことを考えると、昔の記憶がそのまま停止しているような臥龍洞には、それゆえの魅力があり、その程よい汚さと貧乏臭さには、なにやらホッとさせられるのであった…

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Vol.514 COEX MEGA BOXもリニューアル! [韓国生活]

 COX MALLに行ったついでに、MEGA BOXにも立ち寄ってみた。

 大改装が始まっても、ここは長期休館することなく営業を続けていたが、リニューアルに合わせた大幅な改修が既に行われていて、かなり様相が変わっていた。

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 昔のいかにも【韓国のシネコンです】的な雰囲気はだいぶ薄くなり、映画館というより多目的ホールのよう、全体的に開放感のある、おしゃれな雰囲気になったが、なぜかバーガーキングだけは同じ場所で相変わらず営業を続けていた。

 キャパシティの大きい劇場がある地下2F(…でいいのかな?)と、小さな劇場が連なっていた地下1F(…でいいと思うんだけど)を繋ぐエスカレーターは廃止され、一般大衆系は地下2F、小金持ちは地下1Fで、というように、コンテンツと客層を分けたようである。

 さすがは韓国、どこでも何でもヒエラルキーを持ち込みたがる。
 
 地下2Fはロビーと劇場の仕切りが無くなり、フラットに繋がっているような構造に変わったが、これは中々いい設計だと思う。
 おかげで、この手の映画館特有のすえた雰囲気がかなり和らいだ。

 そして、注目すべきは、劇場内に用途不明の滑り台が設置されたことだ(非常用か??)。

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写真右側に滑り台が見えます

 「なぜ、二つも?」という不可解さもあるけれど、別に邪魔な訳でもなく、空間プロデュースとして考えれば、これはこれでアリだろう。
 大勢の家族連れが順番を待って並んでいて、映画館とは別に大盛況だ。

 もう一つの大きな変化は、チケットカウンターの位置が大きく変わり、発券窓口と自動発券機が増えたことだろう。

 ここで、改悪なのでは?と感じたことが二点あった。

 まず、自動券売機が増えたのはいいのだが、現金が使えない。
 つまり、筆者のような実質イチゲンさんの外国人客は端から対象外であって、逆に利便性が悪かったりする。

 韓国の映画館で自動券売機が現金非対応なのは、何もここに限った話ではないけれど、行ってみないとわからないから困ったものである。
 やはり、何台かは現金対応にして欲しいなぁ…

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自動券売機も人でいっぱい

 その日は油断して予約をしておらず、マジで焦る。

 というのも、この自動券売機、現金購入が出来なくても、座席の空き具合は確認できるからで、その時に観ようと思っていた作品は、開場時間まで二時間近くあるのに、空きが数席しか残っていなかったのである!

 仕方ないので、慌てて整理券を取り、発券カウンターの方を使うことにしたのだが、これまた、待ち人数が80人…!!

 日にちが悪かっただけかもしれないが、しばらく来ていなかったので、COEX MEGA BOX特有の落とし穴をすっかり忘れていた。

 でも、トラブルはそれで終わらない。

 スタッフが直接対応する発券カウンターは処理もテキパキ、すぐ順番も回ってくるのだが、担当窓口がどこかは直前まで分からず、整理番号を表示する電光板をいっぺんに見渡せるポジションも無い。
 あっという間に別の番号へ変わってしまうので、全く気が抜けないのだ。

 こういうのはホントに嫌…

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分かりにくいのですが、以前と位置が異なります

 第二の問題点とは、この発券カウンターの処理能力が増した為、スピードについて行けない年配者や初めてやって来た事情の分からない客にとって、逆に購入し辛くなっているのでは?ということである。

 なぜ、こんなことを書くのかというと、かくいう私も待った挙句、状況が理解できていない上京組と思われる爺さんに、堂々と横はいりされたからだ。

 韓国は元々、日本よりも「順番を守る」だとか「並んで待つ」といった概念が相当薄い社会ではあるけれど、今のソウルは大分改善されている。

 だから、今頃まさかとは思ったのだが、考えてみればここは天下のCOX MALL、都会の流儀を全く理解できない人たちが大勢やって来ることを、すっかり失念していたのである。

 その爺さんはもしかしたら、ややボケていたかのかもしれないが、カウンターの女性がいくら丁寧に横はいりであることを説明しても、全く理解出来ないらしい。

 ちなみに、最近のソウルにおける大手シネコンは、スタッフ教育が行き届いているので、日本のシネコンより、顧客対応はマトモだったりするのだが、横はいり爺さんの耳に担当の説明は全く届いておらず、うつろな表情で作品名を呆けたように繰り返すだけ。

 やもなく彼女は筆者に目線で詫びつつ、その爺さんに発券対応を始めたが、そこでまた先に進まなくなる。

 爺さんが要求する大ヒット作の座席なんて、開場間際にそうそう都合よく空いているわけもなく、担当者は詫びながら要望の応じられない旨を伝えているのだが、この爺さんは、それが理解できない。
 ディスプレイで空席状況を見せても、うつろな表情で同じ言葉を繰り返している。

 「これはマズイ!」と筆者が焦る矢先、運良く隣の窓口が空き、事情を察した他のスタッフが早急に対応してくれたからいいようなものの、この時ばかりは、いくら韓国とは言え、殺意を覚えた。

 韓国で暮らしていれば、こういうイライラは日常茶飯事、失笑して終わりなのだけど(本気で怒っていたらやってられない)、あいにく今の筆者は刹那な一時滞在者に過ぎない。

 どうも、彼の地にしばらく来ない間に、「自分がよければ全てOK」という、韓国の「俺様ルール」をすっかり忘れていたようだ。

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