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第19回「STAR TREKと韓国②」 [海外ドラマ]

 「STAR TREK」の世界観を支える重要な異星人種族に、バルカンとロミュランがいる。
 両者はもともと同じ種族であったが、思想の対立によって民族は分裂し、ロミュランの始祖となった一派は、他の星系に移住し、独自の帝国を築き上げ、両者は対立している、という設定だ。
 最初の「STAR TREK」では、この裏設定はそれほど大きく取り上げられることはなかったが、「STAR TREK・The Next Generation」の第4シーズンあたりから段々と肉付けされていって、映画「STAR TREK/Nemesis」では、とうとう、お話のテーマになってしまった。
 バルカンは精神文化と自然主義を基調にした高度な精神社会を営んでいて、外部とのコンタクトに積極的だが、ロミュランは専制的共和主義であり、物質主義的であり、思想の自由はなく、外部との接触を嫌う傾向が著しい。
 もとは同じ民族ということで、互いの良心派が、近い将来の融合を目指して非合法の組織活動を行っているが、他種族との同盟関係がほとんどなく、孤立しているロミュラン帝国は、自己存続のために密かにバルカンを武力統一しようと狙ってもいる、という状況が、現実世界に合わせるように、STAR TREKの世界ではシリーズをまたいで、深く描かれてゆく。
 単純にいってしまうと、バルカンとロミュランは、韓国と北朝鮮のメタファーそのものだ。そして、両者が冷戦構造崩壊後、国際社会、特にアメリカにとって、色々な意味で無視できない国になっていった過程が、この「STAR TREK」シリーズ四十年の歴史と共に重なっていることは、決して偶然ではない。
 「STAR TREK」は、原作者のジーン・ロッテンベリーが日本文化にかなり影響された人物であったため、初期のシリーズで描かれるアジア的象徴としての異星人は、日本や中国をイメージしたものが中心であったが、時代は変わり、韓国が国力を増し、アメリカ社会では移民組が活躍をはじめ、北朝鮮は、負の意味での重要度を増してゆく、という情勢の中で、「STAR TREK」のバルカンとロミュランの対立と融合を巡るエピソードはさらに厚みを増し、重要になってゆく。
 「STAR TREK・The Next Generation」以降の「STAR TREK」シリーズというものは、朝鮮半島情勢を、実は昔から先取りして描いていたともいえる。

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