So-net無料ブログ作成

Vol.140 「銀河英雄伝説」の伝説 [小説]

最近、田中芳樹の代表作「銀河英雄伝説」を読み始めている。
けっこう前の作品なので、いまさら?と思う人もいるだろうが、きっかけはこのシリーズが東京創元社から新たに文庫版として刊行されはじめたからだ。

このシリーズは忠実なアニメ化も成功し、そちらも根強い人気を誇っているが、東京創元社から出るまで私はこの「銀河英雄伝説」になんだか偏見を持っていて、決して手に取ることがなかった。

このシリーズが最初に出始めた頃の日本は、今の「オタク文化」黎明期、だから、巷の空気は非常にパワフルでアグレッシブだったが、どうしてもアメリカSFの後を一生懸命に追い続けている感じもあって、それが当時の私にとっては、何か避けてしまう印象をもたらしていた。

それからかなり経って、生まれて初めて「銀河英雄伝説」を読み出す。
そしてそれまで私が抱いていた偏見は大きな間違いであったことに気がついた。

この作品が独特なのは、アニメ的なメカ、であるとか古臭いガジェット、というものに決して重点が置かれることはなく、あくまでも人が織り成す「歴史」そのものを描こうとしている小説であって、逆によくアニメ化したな、と感じたくらい、淡々として理知的な内容だ。
アイザック・アシモフの歴史的古典、「ファウンデーション」シリーズを連想させる。

この「銀河英雄伝説」、中国語圏でかなりの人気と影響を誇っているらしく、韓国ではどうかな、と調べてみると、やはり全て訳されているようだ。

しかも、韓国のネット・ショップで検索すると、「銀河英雄伝説」に影響されて書かれた、と紹介されている韓国の小説もあったくらいなので、私が想像するよりも人気があったらしい。

そこら辺のところを知人に尋ねたところ、十年くらい前、金庸や「三国志」と並んで「銀河英雄伝説」は「男の三大小説」と称されて、高校生あたりにかなり読まれていたという。

逆にアニメは当時、今のようななんでもかんでもダウンロードで入手できる時代ではなかったので、それほど韓国で観ている人はなく、あくまでも小説自体の人気だったらしい。

SF的であることというよりも、しっかりと人と歴史、そして社会の変遷と関わりを表立って描いた大河小説だったからこそ、文化を超えて受け入れられたのかな、と思うのだった。

アニメや映画ばかりではなく、「村上春樹」や「よしもとばなな」ばかりではなく、日本のSF小説にもっと海外の注目が集まってもいいと思うし、海外の反響もまた伝えるべきだろう。

日本のお役人の方々、そこら辺のアピールもよろしくおねがいします。

銀河英雄伝説 1 黎明編

銀河英雄伝説 1 黎明編

  • 作者: 田中 芳樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/02/21
  • メディア: 文庫


銀河英雄伝説 2 野望篇 (2) (創元SF文庫 た 1-2)

銀河英雄伝説 2 野望篇 (2) (創元SF文庫 た 1-2)

  • 作者: 田中 芳樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 文庫


銀河英雄伝説 3 雌伏篇 (3) (創元SF文庫 た 1-3)

銀河英雄伝説 3 雌伏篇 (3) (創元SF文庫 た 1-3)

  • 作者: 田中 芳樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 文庫


銀河英雄伝説 4 策謀篇 (4) (創元SF文庫 た 1-4)

銀河英雄伝説 4 策謀篇 (4) (創元SF文庫 た 1-4)

  • 作者: 田中 芳樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 文庫


銀河英雄伝説 5 風雲篇 (5) (創元SF文庫 た 1-5)

銀河英雄伝説 5 風雲篇 (5) (創元SF文庫 た 1-5)

  • 作者: 田中 芳樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。